【概 要】
パーキンソン病は、アルツハイマー病に次いで多い神経性の難病で、60歳以上となると100人に1人はかかると言われています。ところが、パーキンソン病の疑いで病院を受診しても、検査結果から「パーキンソン病ではなく、パ―キンソン症候群です」と言われることがあります。
「パーキンソン病」と「パ―キンソン症候群」、病名は似ていますが、この二つはまったく異なる病気です。パ―キンソン症候群は簡単に言うと「パーキンソン病と似た症状があらわれるが、パーキンソン病ではない病気の一群」を指します。パ―キンソン症候群は、緩慢な動作や手足のふるえなど、パーキンソン病とよく似た症状を呈しますが、一律に病気ではありません。ふるえが強い例、歩行障害が強い例、自律神経の症状が強い例など、一人ひとり様々に症状が異なっていることも、それぞれの患者に合わせた医療が必要とされるゆえんです。
本書では、パーキンソン症候群の多様な症状を改善するためにはどうすれば良いか、薬剤、食事を含む療養生活など、様々な観点から考えています。また、健康状態に不安を抱える高齢者の方々が、体に無理のないかたちで症状改善が期待できる「自然の有効成分」についてわかりやすく解説し、症状を改善に導くセルフケアの方法についても紹介しています。
医学博士 嘉島康二 監修
メディカルライター 恒松健二 著