【概 要】
「体の半身に力が入らず、歩くとき片方の足をひきずる」、「持っていた箸を落としてしまった」、「景色が回転して見える」・・・脳の細い血管が詰まる「ラクナ梗塞」は「隠れ脳卒中」の代表的な病気です。また、出血の範囲が小さい「小さい脳出血」も「隠れ脳卒中」です。ラクナ梗塞などの隠れ脳卒中では、「ろれつが回らない」「フラフラする」などの明確な脳卒中の症状が現れにくいことが多く、気がつかない内に脳にダメージを受け、「認知症」の原因となるのです。
人間の体には、自分で自分を治し、再生しようとする、生まれながらの力が備わっています。これを「自然治癒力」といいます。本書の目的は、人間の本来持っている自然治癒力を高めることによって、ラクナ梗塞などの隠れ脳卒中の後遺症を改善に導くことです。また、再発を予防することも重要です。
本書では、ラクナ梗塞をはじめとする隠れ脳卒中の症状や発症の仕組み、治療法、リハビリなどについて解説しています。また、健康状態に不安を抱える高齢者が、「身体にやさしく、おだやかに」症状を改善する自然成分や運動についてふれています。そして、自然成分の活用によって、脳梗塞のつらい後遺症から解放された方々の喜びの声も紹介しています。
医学博士 嘉島康二 監修
メディカルライター 松田景秀 著