【概 要】
昔から「年をとると身体がかゆくなる」とよく言われてきました。「かゆみ」は高齢者にとって、非常に頻度が高い、つらい症状です。
私たち人間の皮膚の表面には皮脂とよばれる脂質の膜があり、水分の蒸発を防ぎ、皮膚が乾燥しないようにしています。また、表皮の角質層の間にあるセラミドという脂質も水分を逃さないために重要な働きをしています。ところが、「年をとる」と、脂質などの成分が減少して、その機能が次第に低下するために、皮膚に蓄えられていた水分が徐々に失われて、「肌の乾燥」が起こります。その状態を「老人性乾皮症」といい、皮膚の本来の機能を失わせて本来の保護機能が低下してしまいます。そうなると、普通であれば何でもないような刺激に対しても敏感に反応して「かゆみ」を感じやすくなるのです。それでは老人性乾皮症の症状を改善するにはどうすればよいのでしょうか。
かゆいところを引っ搔いて傷をつくり、そこから細菌が感染して皮膚潰瘍などの二次的症状を起こしやすい老人性乾皮症。本書では老人性乾皮症と上手に付き合っていくための対策を紹介しています。
医学博士 鷹羽裕之 監修
メディカルライター 大山涼 著