帯状疱疹は、子供の頃にかかったヘルペスウイルスの一種である水痘ウイルスが長い間体内に隠れていた後、突然活性化し、神経に沿って皮膚にブツブツができ、胸や背中で帯状に水泡の集団を作ったり、神経の痛みを引き起こしたりするものです。帯状疱疹は発症後7~10日で水疱がカサブタとなり、2~3週間で皮膚の症状も治まります。
ところが帯状疱疹ウイルスは、体内で活性化して増殖し始めたときから、神経を傷つけ変性させることがあります。そして破壊された神経は修復されずに、その部位に痛みが続くのです。また、神経が破壊されていない場合でも、痛みの感覚を脳が覚えていて、少しの刺激でも生理的な痛みとして復元される場合があります。このように、皮膚症状が治まった後も痛みが続き、三か月以上継続すると「帯状疱疹後神経痛」と診断されます。
それでは、痛みを和らげ、症状を改善するにはどうすべきか。「帯状疱疹後神経痛」は、ひとすじ縄ではいかない厄介なものですが、症状の改善に打つ手がないかというと、そうではありません。その秘策を分かりやすく紹介したのが本書なのです。
薬学博士 鈴木郁功 監修
メディカルライター 稲村四郎 著