【概 要】
緑内障は、目から脳へと情報を送る「視神経」が障害され、見える範囲(視野)狭まる疾患で、
最悪の場合、失明に至ります。日本では中途失明原因の第1位で、2014年の厚生労働省の調査によると、国内の患者数は約400万人と推定されていますが、医療機関を受診しているのは106万人に過ぎません。また、健康診断などで緑内障が発見されても、自覚症状が乏しいために治療を受けない人や、治療を受けても途中でやめてしまう人が多くいます。当然、こういった場合は症状を進行させ、失明の確率を高めます。
緑内障は、治療しても完治することはなく、現状では進行を抑えることが唯一の治療とされています。とは言え、放置していたら気づいたときは失明寸前だった、ということにもなりかねません。このような事態を避けるためにも、緑内障という病気を正しく理解することが重要です。
本書では、緑内障になった方、緑内障を疑われる方なら誰もが抱く不安や疑問に答えるべく、緑内障の発症の仕組み、病状の実態、現状における治療法、セルフケアの方法について分かりやすく解説しています。また、健康状態に不安を抱える高齢者が、身体に無理をかけることなく症状を改善する方法についても紹介しています。
医学博士 嘉島康二 監修
メディカルライター 石川雅晶 著