年をとれば、ちょっとした「物忘れ」は、誰にでも起こることです。実は、物忘れをするのは、記憶に関わる脳のほんの一部分に老化が現われただけで、脳全体が老化したわけではありません。しかし、「昨日の夕食に家族とお寿司を食べに出かけた」「先週誰と会ってどんな話をしたか」など、過去の自分の行動や経験に関する内容、いわゆる「エピソード記憶」が抜け落ちてしまうことが増えたら要注意です。こうした「加齢による物忘れ」と「認知症」の境界にある状態が、本書で取り上げる、「ひどい物忘れ(軽度認知障害)」です。認知症そのものではありませんが、健常な状態ではありません。軽度認知障害のある人は、認知機能のレベルが年相応よりも低下しているのです。
本書では、軽度認知障害の症状や発症の仕組み、健康状態に不安を抱える高齢者が、「身体にやさしく、おだやかに」軽度認知障害の症状を改善する自然成分や食事法、運動療法についても詳しくふれています。また、自然成分の活用によって、軽度認知障害のつらい症状から解放された方々の喜びの声も紹介しています。
医学博士 嘉島康二 監修
メディカルライター 神谷彰 著