「風呂上りや眠っている時に体中がかゆくてたまらない」「無意識に腰や腹をかきむしって血がにじむ」・・・これら高齢者に多くみられる皮膚の症状は、皮膚の老化によるものです。肌の潤いを保つ成分や皮脂を作り出す機能が加齢によって低下して引き起こされます。これらの皮膚疾患を症状に応じて「老人性乾皮症」や「皮膚そう痒症」と呼んでいます。
老人性乾皮症や皮膚そう痒症は、肌の状態が普通と異なり、かさぶたができたり、色素沈着となったり、場合によっては潰瘍を形成することがあります。また、かゆみや乾燥によってイライラして精神が不安定になるなど、生活の質を低下させる一因となります。
本書では、老人性乾皮症や皮膚そう痒症に対する理解を含めると同時に高齢者のかゆみの原因を解明していきます。さらに病院での検査方法や処方される薬、自宅でできるかゆみを改善するコツ、年齢を重ねたからこそ必要なセルフケアや栄養補給など、高齢者が健康的な肌を取り戻すための具体的なアプローチを提案していきます。
薬学博士 鈴木郁功 監修
メディカルライター 夏田樹 著