【概 要】
パーキンソン病は、アルツハイマー病に次いで多い神経性の難病で、60歳以上となると100人に1人はかかると言われています。
発病を気づくきっかけとなるのが、じっとしていると手足がふるえる「振戦(しんせん)」、無意識のうちに筋肉がこわばる「固縮(こしゅく)」、動作が鈍くなる「寡動(かどう)・無動(むどう)」、体のバランスが崩れ転倒しやすくなる「姿勢反射障害」といった4つの運動障害です。これらの症状より、早い段階で嗅覚低下や便秘、うつなど、運動症状以外の兆候もあることから、パーキンソン病は脳神経の病気でありながら、全身病といわれるようになってきました。そのため、パーキンソン病と診断されると、「いつか寝たきりになる不治の病」といった誤解も多いようですが、それは間違いです。
治療法が進んだ現在では、パーキンソン病の平均死亡年齢は、健康な人の平均とほとんど変わりません。適切な治療を行なえば、病気の進行を遅らせ、寝たきりにならず、仕事や趣味も続けられます。パーキンソン病は、治る病気ではありませんが、死ぬ病気でもありません。うまく付き合う事が大切な病気なのです。
本書では、パーキンソン病の多様な症状を改善するためにはどうすれば良いかを様々な観点から考えています。健康状態に不安を抱える高齢者の方々が、薬物による副作用の心配なく、体に無理のないかたちで症状改善が期待できる「自然の有効成分」についてわかりやすく解説し、さらには、症状を改善に導くセルフケアの方法についても紹介しています。
医学博士 嘉島康二 監修
メディカルライター 石川雅晶 著