【概 要】
肩こりがひどい、首や肩が痛い、腕がしびれる、手指がしびれマヒする・・・。高齢者社会と言われるようになって以来、その高齢者の間でこのような悩みを訴える人が増えてきています。その主な原因として、長年酷使し続けてきた首の骨=頚椎が、すり減って変性を起こし、それによって神経が圧迫されて起こる「頚椎症」という疾患があげられます。
首は全身の中でもいちばん負担がかかる部位で、最も酷使される場所です。わたしたち「ヒト」という生物は、知能が発達して大きな頭を持っていますが、その頭は、成人の場合だと3~4キロの重さがあります。ですから、横になっている時以外は、その重い頭を四六時中首で支えていくことになりますし、頭を自在に動かすのも、首の骨である頚椎が負っているのです。こうして、首の骨は、一時も休むことなく働かされているわけですが、やがて「金属疲労」のように酷使されている内に蓄積した疲労が首の骨に損傷を起こしていくことになるのです。つまり、頚椎症というのは、直立歩行を選んだ人類の宿命病といえます。
本書では、その人類の宿命病「頚椎症」による痛みやシビレなどのつらい症状を少しでも和らげるように、わかりやすく解説しています。
医学博士 嘉島康二 監修
メディカルライター 小野一男 著