【概 要】
ふとしたきっかけで顔の片面に「稲妻が走るような」「針で突き刺されるような」と表現されるほどの激烈な痛みを生じる病気があります。一般的には、「顔面神経痛」とも呼ばれているこの病気は、医学的には「三叉神経痛」と言います。
三叉神経とは脳幹から顔面の両側面に沿って「眼・上顎・下顎」の三つの方向に分かれて広がった神経です。顔で感じた感覚を脳に伝える働きを持っていて、顔全体にくまなく張り巡らされたその神経により、顔に触れた感じ、痛み、冷たさ等、様々な感覚を脳に伝えています。三叉神経痛の主な特徴には次のようなものがあります。①食事、歯磨き、洗顔、髭剃り、化粧等、顔への何らかの刺激で誘発される。②痛みは電気が走るような鋭い痛みである。③顔面の左右どちらかの片側で痛みを感じる。④痛い時と痛くない時がはっきりしている。⑤痛むのは数秒の事が多く、長くも数十秒である。⑥一般の痛み止めでは効果がない。
突発的に、経験したことがないようないつもと違う痛みを顔に感じた場合は三叉神経痛の可能性があるのです。
本書では、「三叉神経痛」について、その事例や発症の仕組み、発症した場合は医療機関の何科を受診するべきか、その検査・治療法を分かりやすく解説しています。さらに東洋医学より痛くなった場合のツボや漢方について、日常生活で気をつけるべきこと、また有効とされている栄養に関しては食事などにも情報を広げ、ご紹介しています。
薬学博士 鈴木郁功 監修
メディカルライター 並木俊緒 著