【概 要】
パーキンソン病は高齢者に多発する病気で、治療によって完治することのない指定難病です。しかしながら、ゆっくりと病状が進行する病気なので、適切な治療で、その進行を遅らせることができます。
パーキンソン病の症状は様々で、すべての症状が出るわけではなく、症状の強さも人それぞれです。代表的なものとして、じっとしているときに手や首、足に起こるふるえ(安静時振戦)、動作が遅くなったり少なくなったりする(動作緩慢・無動)、体のバランスが悪く、倒れやすくなる(姿勢反射障害)、筋肉のこわばり(筋強剛)などの運動にかかわる症状と便秘、頻尿・失禁、夜間不眠や日中過眠などの睡眠障害、うつ症状、不安感、たちくらみ等々・・・多岐にわたります。
パーキンソン病の患者さんの脳は、脳の指令を身体に伝える物質であるドパミンが何らかの原因で減少していることが分かっていますが、その原因がまだ完全には分かっていません。そのため、根本的な治療法は確立されていないのです。
そこで本書では、パーキンソン病のつらい症状に悩まされている人たちにとって、少しでもその症状を軽減したり、進行遅延を図る知恵と方法を紹介しています。
内科医 前島和博 監修
メディカルライター 稲村四郎 著