【概 要】
ヘルペスは、「ヘルペスウイルス」というウイルスが皮膚や粘膜に感染して、“水ぶくれ”
や“びらん”ができる病気です。ヘルペスウイルス感染症のうち、代表的なものが「単純ヘルペス」と「帯状疱疹」です。ヘルペスウイルスは、感染すると症状が治った後も人の細胞の中にじっと隠れていて、普段は症状が出てこないのが特徴です。ところが風邪や疲れなどで体の免疫力が落ちると、突然出てきて暴れ出してしまいます。帯状疱疹は、子供の頃にかかったヘルペスウイルスの一種である水痘ウイルスが長い間体内に隠れていた後、突然活性化し、神経に沿って皮膚にブツブツができ、胸や背中で帯状に水泡の集団を作ったり、神経の痛みを引き起こしたりするものです。
ヘルペスの多くは、その都度ウイルスに感染しているのではなく、初感染後、頭部にある三
叉神経と呼ばれる神経系の根元、三叉神経節の神経細胞に潜伏します。そして、体力や抵抗力が弱ってくると、ヘルペスウイルスが体内で増殖し、再発するのです。一方、帯状疱疹の場合は、発症したら免疫力がついて再発はないとされていました。しかし、最近では最初のかかり方で完全にウイルスを消滅できずに、潜伏することがたびたび見られるようになって来ました。
ヘルペス・帯状疱疹を防ぐポイントは何よりもウイルスを活動させないこと、そして体の抵抗力を高めることが必要です。そこで本書では低下した免疫力を取り戻すにはどうすれば良いか、効果的かつ簡単な方法をわかりやすく解説しています。
医学博士 嘉島康二 監修
メディカルライター 腰越六郎 著